冷媒基礎知識

1. 冷媒とは?

エアコン,冷蔵庫,ヒートポンプ給湯機器内部でエネルギーを輸送するために循環している流体です.人間でいえば,血液にあたる非常に重要な物質です.

冷媒としては,主としてフルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)が用いられ,一般的にフロンと言います。フロンは1920年代に冷蔵庫用として開発され,当時は,夢の化学物質ともてはやされました.フロンの中でもCFC(クロロフルオロカーボン)とHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)がオゾン層破壊物質です。これらの物質を特定フロンと呼んでいます.HFC(ハイドロフルオロカーボン)は,塩素をもたないため,オゾン層を破壊しないため,特定フロンの代替物質としてその変換が進んできました.このため,HFCのことを一般に「代替フロン」といいます.しかし、代替フロンは二酸化炭素の数百倍~数万倍の温室効果があることがわかり,地球温暖化の原因になるとして問題となっています.このため,さらなる代替が求められ,以降で述べるキガリ改正によりその削減すら求められるようになっています.

※経済産業省ホームページより引用

下表には,代表的なCFC,HCFC,HFC系のフロンが示されています.この系列のフロンにも様々な種類があり,それぞれの冷媒には冷媒番号が付記されています.この表を見ていただくと,CFC,HCFCからHFCになり,オゾン層破壊係数(ODP)は,0となりましたが,地球温暖化係数(GWP:CO2を1とした時の相対値)は相変わらず大きな数字であることが分かります.

※フィガロ技研株式会社ホームページから引用

このため,更なる冷媒転換が求められ,現在では,HFO(ハイドロフルオロオレフィン)や改めて自然冷媒に注目が集まっています.これらの冷媒の多くは微燃性を有するため,その対策が急務となっています.冷媒には,一長一短があるのが現状です.

※空調用冷媒の動向 NTTf総研 内海

2. 機器の動作原理

エアコン,冷蔵庫,ヒートポンプ給湯機はすべて同じ動作原理で駆動されます.図1には,一例としてエアコンが冷房を行っている状態を示しています.まずは,この運転状態をもとに動作原理を説明します.熱交換器としての蒸発器と凝縮器,外部の動力によって駆動する回転機械としての圧縮機,膨張弁を基本的な構成要素としています.室内機には,蒸発器が内蔵され,室外機には,凝縮器,圧縮機,膨張弁が内蔵されています.これらの構成要素は,配管で接続され冷媒が流動しヒートポンプサイクル(冷凍サイクルとも言います)を形成しています.冷媒は,大気圧よりも高い圧力状態でも5℃程度で蒸発したり,30℃ぐらいでも液化したいすることができるものとなります.

 低温低圧の冷媒蒸気①は,圧縮機に流入し,ここで加圧されることにより,高温高圧となります.この圧縮機を駆動するのに必要な電力がエアコンの駆動源となります.

圧縮機を流出した高温高圧の冷媒②は,凝縮器に流入します.凝縮器では,高温側流体(ここでは外気)が冷媒より温度が低いため,冷媒から高温側流体に熱が伝わり,冷媒は冷やされ,冷媒ガスは,凝縮(液化)します.高温側流体は,熱を得て加熱されています.

凝縮器を流出した高温高圧の凝縮液③は,膨張弁を通過します.膨張弁は,小さな穴であり,ここを通過すると冷媒は,低温低圧となります.これは,ちょうどスプレーにおいて流体が高圧の内缶から圧力が低い外部に放出されるときに冷やされるのと同様の原理です.

この低温低圧の冷媒は④は,蒸発器に流入します.蒸発器では,この低温低圧の冷媒がその温度よりも高い低温側流体(ここでは,室内空気)と熱交換を行うことにより,低温側流体から冷媒に熱が移動します.

これにより,冷媒は熱を得るため,加熱され,蒸発し,その潜熱により低温側流体を冷却することになります.これを繰り返すことでサイクルが成立しています.暖房時には,内部の流動方向を切り替えることにより,室外機の熱交換器が蒸発器,室内機に設置された熱交換器が凝縮器の役割を果たすこととなります.これにより,室内機で熱をもらった高温の空気が室内を循環することとなります.ヒートポンプ給湯機では,水が熱をもらって温水が取り出されることとなります.

www.athome.tsuruga.fukui.jp