【再掲】欧州委員会からの報告書

気候変動への影響の低減につながるフッ素系温室効果ガス に代わる分離形エアコン用冷媒の実用可能性

NPO法人環境エネルギーネットワーク21主任研究員 石橋直彦

【12月1日更新】記事全文を参照できるように変更しました

欧州委員会が2020年9月30日に公表した分離形エアコン用冷媒の実用可能性に関する報告書の紹介をいたします。

欧州のフッ素系温室効果ガスに対する規制517/2014(Fガス規制)は、欧州委員会に対して、「Fガスの代替として製造されている、費用対効果が高く、技術的に実現可能であり、高効率な、信頼性の高い物質が、新型の小型シングルスプリット空調機に使用可能かどうか」を評価するよう求めています(第21条(4))。標記の報告書は当該規制のもとで上述の要求、また、外部研究の調査報告書、及び2019年9月から2020年4月にかけて実施された利害関係者による大規模な協議会における指摘事項に対応しています。

欧州の目標は2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を実質プラスマイナスゼロの状態(気候中立)にすることです。この目標を達成するため、気候変動への影響がさらに小さいFガスを短期間で新規に製造される空調機器に用いることにより、気候に与える影響を大きく減らせる可能性があります。

報告書は以下のとおり、小型スプリット機器に限らず、全ての種類の分離形空調機器を調査しています。

  • 冷媒配管で結ばれた室内機1台と室外機1台から成るシングルスプリット空調機であり、施工が必要なもの
  • 小型シングルスプリット形:封入量3kg未満(1室用)
  • 大型スプリット形:封入量3kg以上(広間用)
  • 冷媒配管で結ばれた1台の室外機と最適な2台以上の室内機から成るマルチスプリット型空調機は、異なる気候帯(温度の異なる区画)、及び又は、複数の部屋又は大広間に適する

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https://w-refrigerant.com/wp-content/uploads/2021/12/c_2020_6637_en.pdf