性能評価技術に関する研究開発 ―ドロップイン試験―

1.背景

用いる冷媒によって機器の実運転性能は左右されますが、多くの次世代冷媒候補それぞれに対応した機器を開発しその性能を測定することは現実的ではありません。冷媒の選定や機器の開発の期間短縮と低コスト化においては数値シミュレーションが不可欠です。本プロジェクトで開発したシミュレータによる計算結果の妥当性や精度を検証するために、R22用の空調機にR290およびR454Cをドロップイン(機器はそのままで冷媒のみ入れ替えること)して試験を行いました。

2.実験概要(+充填量、試験条件)

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使用した空調機(2001年製、定格冷房能力2.2 kW 定格暖房能力2.5 kW)の室内ユニット(左)と室外ユニット(右)

3. 結果と考察

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・R290は、定格冷房標準試験ではR22のCOPを若干上回るが、他の条件では10%程度低い
・R454CのCOPはR290に比べて,10%~25%低い
・(1)回転数固定と(2)冷房能力固定では、(1)回転数固定の方がCOPは11%~24%高い

今後は、今回の実験結果と、開発したシステムシミュレーターの計算結果とを比較し、計算値の妥当性検証を進めていきます。