新たな温暖化影響指標(GTP:Global Temperature Change Potential)について

現在フロンの温暖化影響を表す指標としてGWP(Global Warming Potential)が使用されています。
地球温暖化係数(GWP) とは、二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるか表した数字のことです。単位質量(例えば1kg)の温室効果ガスが大気中に放出されたときに、一定時間内(例えば100年)に地球に与える放射エネルギーの積算値(すなわち温暖化への影響)を、CO2に対する比率として表したものですが、GWPの計算方法については、まだ世界的に統一されたものがなく、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書でも毎回数値が変わっています。
冷媒として用いられているフロンはこのGWPが高いものが多く、その削減が求められています。しかしGWPは赤外線を吸収する能力のCO2に対する単なる比率であり実際の自然界での温暖化影響をそのまま表すものではないと言われています。

IPCC第5次評価レポートでは第8章でHFCなどの人工的なガスについて議論し気候変動影響の新たな指標として地球温度変化係数(GTP:Global Temperature Change Potential)と言う概念が示されています。
GWP は 赤外線を吸収する能力の相対値であるのに対し、GTP は 世界平均気温を上げる能力の相対値として示されています。
地球の温度変化は、赤外線吸収能力とは直接比例関係になく,特に短寿命物質では、GTP 値とGWP値は 大きく異なります。
GTPは、気候の応答性や大気と海洋の熱交換を考慮することにより、GWPに比べより深い物理的なプロセスを考慮したものになっています。また、GTPは深海のゆっくりした応答を考慮に入れることにより、排出された温暖化物質の大気中濃度の寿命による減衰時間の範囲を越えた長期にわたっての温暖化影響を考慮するものです。従ってGTPは対象とする化学物質の大気中での適応時間と気候システムの応答時間の双方を含んだものになるのです。
海洋の応答をGTPの中に取り込むことはGTPの値に非常に大きな影響を与えるので、その特性をどのように評価の中で想定するかも、評価の単純さと得られる結果の精度との間のトレードオフ関係を表すものとなります。

IPCC : Intergovernmental Panel on Climate Change   気候変動に関する政府間パネル
GTP :Global Temperature Change Potential      地球温度変化係数
GWP : Global Warming Potential           地球温暖化係数

次の表はGWPの値とGTPの値の比較を占めしたものです
これによるとFS6やPFC14などはGTPの方が大きな値になりますが、R32やR134aなどはかなり小さくなる事が分かります。

日本冷凍空調工業会の資料から