The 18th EC paper 1-3_業務用冷凍冷蔵機器への低GWP-A2L-冷媒の実用的な搭載

欧州のF-Gas指令(EC 517/2014)などの環境法に適合するため、及び、低GWP冷媒への移行の必要性から、多くの小売業者は冷凍システムの将来計画を見直すようになった。HFCの段階的削減が高GWP冷媒の使用制限に与える効果、及び、2022年以降容量40 kWを超える新規の冷凍冷蔵システムにはGWPが150 未満の冷媒を用いなければならないという使用制限を達成するために、冷媒の選択及び必要な技術を根本的に見直す必要がある。

多くの小売業者は低GWP冷媒の選択肢として二酸化炭素又は炭化水素ベースのシステムを用いているが、これらが最適な解決策になると確信していない向きもある。販売業者にとって極めて重要なことは、低GWP冷媒を使用することだけでなく、代替製品の性能を維持することである。消費電力の増大による間接的CO2排出量の増加が、冷媒のGWPを下げることによるCO2排出削減量を大幅に相殺してしまうこともある。遷臨界CO₂システムが、多く販売業者にとっては一般的な解決策であるが、詳細な調査によりこのシステムは新しい性能基準や安全基準を満たしていないと結論付けられた。さらに、R-404AやR-407Fなどの一般的なHFCと類似の動作特性を求めて、既存のシステムへのレトロフィットに使用されているR-448AやR-449AなどのA1 (不燃性)HFO混合冷媒の可能性が探られた。これらの選択基準により、R454AとR454Cの2つの冷媒が要件を満たす可能性があることがわかったが、これらの冷媒はいずれもISO 817のA2L、すなわち微燃性に分類される。

※当記事は下記資料の抄訳です。