機器の動作原理

エアコン,冷蔵庫,ヒートポンプ給湯機はすべて同じ動作原理で駆動されます.図1には,一例としてエアコンが冷房を行っている状態を示しています.まずは,この運転状態をもとに動作原理を説明します.熱交換器としての蒸発器と凝縮器,外部の動力によって駆動する回転機械としての圧縮機,膨張弁を基本的な構成要素としています.室内機には,蒸発器が内蔵され,室外機には,凝縮器,圧縮機,膨張弁が内蔵されています.これらの構成要素は,配管で接続され冷媒が流動しヒートポンプサイクル(冷凍サイクルとも言います)を形成しています.冷媒は,大気圧よりも高い圧力状態でも5℃程度で蒸発したり,30℃ぐらいでも液化したいすることができるものとなります.

 低温低圧の冷媒蒸気①は,圧縮機に流入し,ここで加圧されることにより,高温高圧となります.この圧縮機を駆動するのに必要な電力がエアコンの駆動源となります.

圧縮機を流出した高温高圧の冷媒②は,凝縮器に流入します.凝縮器では,高温側流体(ここでは外気)が冷媒より温度が低いため,冷媒から高温側流体に熱が伝わり,冷媒は冷やされ,冷媒ガスは,凝縮(液化)します.高温側流体は,熱を得て加熱されています.

凝縮器を流出した高温高圧の凝縮液③は,膨張弁を通過します.膨張弁は,小さな穴であり,ここを通過すると冷媒は,低温低圧となります.これは,ちょうどスプレーにおいて流体が高圧の内缶から圧力が低い外部に放出されるときに冷やされるのと同様の原理です.

この低温低圧の冷媒は④は,蒸発器に流入します.蒸発器では,この低温低圧の冷媒がその温度よりも高い低温側流体(ここでは,室内空気)と熱交換を行うことにより,低温側流体から冷媒に熱が移動します.

これにより,冷媒は熱を得るため,加熱され,蒸発し,その潜熱により低温側流体を冷却することになります.これを繰り返すことでサイクルが成立しています.暖房時には,内部の流動方向を切り替えることにより,室外機の熱交換器が蒸発器,室内機に設置された熱交換器が凝縮器の役割を果たすこととなります.これにより,室内機で熱をもらった高温の空気が室内を循環することとなります.ヒートポンプ給湯機では,水が熱をもらって温水が取り出されることとなります.

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