新作動流体HFO-1336mmz(E)の廃熱回収用途への適用

2020-9-17

論文著者:Jason R. Juhasz, Chemours Company

HFO-1336mzz(E)は、不燃、低温暖化係数(低GWP)の新作動流体として高温ヒートポンプ(HTHP)やオーガニック・ランキン・サイクル(ORC)などの廃熱回収用途への適用が期待されており、高温ヒートポンプ用途でのこの作動流体の性能は今後さらに研究が進められると見られる。

HFO-1336mzz(E)のGWPは18、沸点は7.5℃、臨界温度は137.7℃である。オゾン層破壊係数(ODP)は0であり、これまでの試験によると既知の物質と比較して良好な毒性プロファイル(特徴)を示しており、ASHRAE規格34による安全性分類が近々公表される。

また、一般に見られる金属の存在下での250℃-7日間の密閉ガラス管試験において化学的に安定していることを示した。材質適合性に関しては、このような種類の作動流体とともに用いられる機器によく使用されるプラスチックやエラストマーと良好な適合性を示している。

本論文では、HFO-1336mzz(E)が高温ヒートポンプ並びに低温オーガニック・ランキン・サイクルの両方を含む廃熱回収システムに適用可能な作動流体になり得る全ての特性を備えていることを述べている。

2種類の昇温試験は非常に高いCOPHを示し、これはヒートポンプシステムや以下の用途にHFO-1336mzz(E)を用いることが経済的に正しいことを示すのに一役買っている。

  • 低圧蒸気発生
  • 高温乾燥
  • 殺菌
  • 加熱処理
  • 食品製造産業

出典:第12回IEAヒートポンプカンファレンス(2017年)